これまでに、サターンパッドUSB化基板のボタンの反応が悪いという報告が数件ありました。
調査の結果、簡単に改善できる方法を見つけましたので、共有いたします。
結論から言うと、最も効果的な対策は導電性ゴムの清掃でした。
エタノールを染み込ませたキムワイプ等で導電性ゴムをしっかりと清掃してください。
目安として、ゴムの光沢感が消え、マット感が出るまで拭くとよさそうです。
上記の改善方法はサターンパッドUSB化基板だけでなく、SFCコントローラーUSB化基板、newFCコントローラーUSB化基板でも効果があります。
ボタンが反応する仕組み
まずボタンが反応する仕組みについて解説しておきます。
ボタン部分は導電性ゴムと基板上のパッドで構成されています。
ボタンを押すと導電性ゴムが基板のパッドに接触し、電気が流れることでボタンが押されたことを認識します。
このとき、接触抵抗値が高いとボタンの反応が悪くなる原因となります。
USB化基板の反応が悪い原因
サターンパッドUSB化基板の反応が悪いのは、サターンパッドの導電性ゴムとUSB化基板のパッドの接触抵抗値が高いことが原因と考えられます。
USB化基板は全数検査してから出荷していますので、USB化基板単体の問題というよりは、サターンパッド側との相性の問題かもなと思いました。
で、何個かサターンパッドを入手して試してみると、確かに反応が悪いボタンがある個体がありました。
反応が悪いサターンパッドの中を見てみると、導電性ゴムにパッド形状の光沢が付いていることに気づきました。
あくまでも推測ですが、オリジナルの基板のパッド部に使用されているカーボン印刷の劣化物がゴム側に付着しているのだと思います。
そして、この劣化物の付着が原因で接触抵抗が高くなってしまっているのかもと考えました。
簡単な清掃で反応を改善する方法
この光沢ですが、アルコールをしみこませたキムワイプでしっかりと拭くと消え、ゴム表面はマット感が出ました。
代わりにキムワイプが黒くなりました。
やはりカーボン印刷の劣化物が付着してたのかなと思います。
で、清掃した後のサターンパッドを再びUSB化してみたところ、反応が明らかに良くなりました。
また、USB化基板のパッドとの接触抵抗値をテスターで測定してみたところ、次のような結果になりました。
清掃前の抵抗値:300Ω程度
清掃後の抵抗値:40Ω程度
清掃前後で抵抗値が十倍近く異なる結果となりました。
測定結果から、ゴムへの劣化物の付着が接触抵抗を大幅に上昇させていたことがわかりますね。
ということで、導電性ゴムの清掃が非常に効果的なことがわかりました。
改めて、清掃方法は次のとおりです:
① アルコールを染み込ませたキムワイプを用意
② ゴム表面の光沢が消え、マット感が出るまで丁寧に拭き取る
最新版USB化基板での改良点
最新版のUSB化基板(SFCコントローラーUSB化基板、サターンパッドUSB化基板、newFCコントローラーUSB化基板)では次の対策を入れて反応を改善させています。
① パッド形状の微細化により接触抵抗値減少
② プルアップ抵抗値調整により、小さな電流で反応可能
これらの対策により、従来よりも感度が向上しています。
ただし、最も効果的なのは導電性ゴムの清掃です。
ゴム清掃を丁寧に行うことで、さらなる反応改善が期待できます。
各USB化基板はこちらからどうぞ。
geekyfab.com
今回はこれで終わります。