
たくさんの人に遊んでいただいているGEEKY Fab.のUSBゲームパッド化基板ですが、最新版ではさらに改良を加えてボタン感度を向上させました。
今回はSFCコントローラー、サターンパッド、newFCコントローラーの最新版USB化基板で行われた改良点について詳しく紹介します。
コントローラーのボタンの仕組み
改良点について説明する前に、まずはボタンの反応する仕組みについておさらいです。
ボタンの回路は大きく分けて、ボタン(=パッドと導電性ゴム)、プルアップ抵抗、マイコンの入力端子から構成されます。

で、ボタンが押されてないときには、マイコン端子はVddに引っ張られ、HIGHと認識します。
逆に、ボタンが押されたときには、マイコン端子はGND側に引っ張られ、LOWと認識します。

こうやって、マイコンはボタンが今押されているのか、押されていないのかを判断しています。
で、感度が悪いというのはつまり、ボタンが押されたときにマイコン端子をGNDまで安定して引っ張り切れていないという状況なわけです。
なぜ引っ張り切れないかというと、プルアップ抵抗の抵抗値に対してボタンの抵抗値が大きすぎるからです。
じゃあ、ボタンが押されたときにマイコン端子をGNDまで安定して引っ張りきるためにはどうすればいいかというと、二つの方法が考えられます。
- ボタンが押された時の抵抗値を下げる
- プルアップ抵抗の抵抗値を上げる
ということで、今回はこの二つのポイントで改良を加えることでボタンの感度を改善させました。
それぞれ詳しく解説していきます。
改良点①:ボタンが押された時の抵抗値を下げる
まずは改良点の一つ目として、ボタンが押された時の抵抗値を下げました。
具体的にどうしたかというと、基板のパッド形状を微細化し、導電性ゴムの接触時の抵抗値を減らしました。

パッド形状を微細化すると、次のような効果があります。
- パッド間の隙間が狭くなるので抵抗値が下がる。
- パッド間の隙間に導電性ゴムが当たる面積が増えるので抵抗値が下がる。
- 導電性ゴムが当たる場所によって抵抗値が変わりにくいため、反応が安定する。
まとめると、これによりボタンの押し方によらず安定的に、低い接触抵抗値を実現できるようになりました。
ちなみに、接触抵抗を下げる方法として、導電性ゴムの清掃も非常に効果的です。
こちらの記事で解説していますので、併せてお読みください。

改良点②:プルアップ抵抗の抵抗値を上げる
改良点の二つ目として、プルアップ抵抗の抵抗値を上げました。
「プルアップ抵抗」とは、ボタンが押されていないときにマイコンの入力端子をHighに引き上げる抵抗のことです。
ボタンを押すと、この端子がGNDに引っ張られ、マイコンが「ボタン押下」を検知します。

ただ、このプルアップ抵抗の抵抗値が小さすぎると、相対的にボタンの接触抵抗が大きくなるので、ボタンを押したときに入力端子の電圧をGND近くまでなかなか引っ張ることができず、反応が悪くなる原因になります。
ただし、プルアップ抵抗の値を大きくしすぎると、マイコンの入力端子が高いインピーダンス状態になってノイズの影響を受けやすくなります。
その結果、ノイズなどで意図しないボタン押下が検知されるなど、誤入力の原因になりやすかったりします。
なので、回路仕様や導電性ゴムの特性を踏まえながら、「いい塩梅」に抵抗値を調整することが必要になります。
最新版USB化基板ではプルアップ抵抗値を最適化することで、ボタンを軽く押しただけでも入力が確実に認識されるように調整しました。
テストプレイとユーザーさんからの感想
実際にプレイしてみると、かなり感度がよくなっていることを感じられます。
軽いタッチで反応してくれるので、特に瞬発力を求められるアクションゲームやシューティングで違いを感じやすかったです。
刹那の見切りで安定的にコックカワサキ(中級)が倒せるくらいには、感度がいいです。

cupheadでも詰まってたボスをクリアできました。

X(Twitter)でも、あるユーザーさんからこんな感想をいただきました。
「個人差あるかもだけど、私的には改良版はもう別物。パッドで難しいシューティングゲームが余裕。 グラディウス外伝、この改良版パッドを使って初めてクリアできた」
こういう感想を投稿してくれるのはめちゃくちゃうれしいですし、製作の励みになります。
改良した甲斐がありました。
みなさまもよろしければどんどん投稿お願いします。
USB化基板の各リンク
各USB化基板の商品ページです。
サターンパッドUSB化基板SFCコントローラーUSB化基板
newFCコントローラーUSB化基板
さいごに
今回の改善で、GEEKY Fab.のUSB化基板でのゲーム体感がより良くなりました。
懐かしのゲームをさらに快適に遊べるように進化した、USB化基板をぜひ体験してみてください。
よろしければ、プレイした感想をSNS等でぜひ共有お願いします。
みなさまの声が開発の大きな励みになります!
今回はこれで終わります。
読んでくれてありがとうございました。
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